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フリフリのThunderbolt大作戦!

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フリフリのThunderbolt大作戦! ― 連載第46回

作戦・第一部終了企画『Mac Pro 対 iMac 消費電力&性能対決』

2013年5月5日  

 約1年半続いたフリフリのThunderbolt大作戦。とりあえず気持ちの区切りとして今回が第一部の最終回となります。Macの新調と共に気持ちを切り替えるというのは昔からまるで変わっていないのですが、つまり要約すれば「見た目カタチから入るタイプ」ということなのでしょう(自覚しています)。5年間使い続け、もちろんその気があればCPUを交換したこともあって、まだまだ現役続投することも十分に可能だったMac Proなのだけれど、たぶんナナオが事切れたことがトリガーとなって一気に気分一新へ動いたという気がします。いろいろ不安要素もありましたが、でも新しいiMac結構気に入っていますよ。
 ところで上の写真(↑)、iMacの画面位置が机上スレスレまで下がっている事に気付かれましたでしょうか。数少ない、iMacの「ココが気に入らない!」要素筆頭に挙げられるモニタ画面位置の高さですが、これで目線を肩より下方へ向けることが可能になり、首や肩の凝りが激減、作業に長時間集中出来るようになりました。どのようにして位置を下げているのかはご想像におまかせ、種明かしはせずにおきます。

競技種目

 さて、作戦最終回のタイトル、ちょっと大袈裟に『消費電力&性能対決』と銘打っておりますが、然して大した記事内容ではございません。今回の世代交代劇では、iMacがMac Proをメインマシンの座から引きずり下ろすことになった要因が幾つかあったのだけれど、ここ最近の消費電力への強い関心もあって、その差が大きな判断材料となりました。そこで対決項目はシンプルに次の3項目。

消費電力対決項目

 動画変換は、1920×1080フルHDのmkvサンプルデータ(約5GB)を6400bpsのmp4ファイルへトランスコードさせるというもの。この動画変換処理でCPUが全てのコアを使いフル稼働するので、その処理中の消費電力と時間を測ります。

手始めににSE/30の消費電力

 対決を始める前に、ちょっとSE/30の消費電力を測ってみました。小さなサイズとは言えモニタ一体型で、CPUもアクセラレータを積んでメモリフル搭載、4GBの回転系HD、さらにXCEEDグレイスケールビデオカードなど色々追加しているこの古いMacintosh。とても長い付き合いなのに、これまでその消費電力についてはまるで関心を持ったことが無かったのが、今思うと不思議。そんなこのマシンのアイドル時の値は「48W」。
 これは意外に低かったなあ…というのが正直な感想なのですが、たぶん当時はどのマシンもこれくらいの値が普通だったのかも知れません。そこからコンピューターは飽くなき「スピード狂時代」に突入し、最高速達成のためには消費電力の増大など全く厭わない、という価値観で邁進したのです。まあ、当時から10数年間まではそれが正義だったのです。
 ちなみにMac互換機「S900」も測ってみたところ、アイドル時で「58W」でした。CPUはPowerPC G3の500MHz超に換装していますが、換装前のオリジナルPowerPC 604e 250MHzだともう少し高い数値かも知れません(ヒートシンクがかなり大きいので)。では早速、Mac ProとiMacの方を測っていきましょう。

まずは基準となるMac Pro(Early2008)2.8GHz×8コア

Mac Pro(Early2008)2.8GHz×8コア

 僕としてはCPU換装前のオリジナルMA970J/Aを基準に考えると比較・整理しやすいので、まずはここから始めることにします。ギガヘルツ時代のコアを8個も搭載しているということもあって凄まじい消費電力と見るか、それとも8コアも積んでこれくらいで済んでいると見るか…。ワットメーターを入手して初めて気付いたのですが、このMac Proは電源を落とした後も「6W」もの電力が常時消費されています。おそらくFierWireポートなどの電源供給に使われているのかと(外付けHDケース等はランプが点灯しっぱなしですし)。

Mac Pro(Early2008)改 3.16GHz×8コア

Mac Pro(Early2008)改 3.16GHz×8コア

 5年間使い続けたメインマシンをさらに延命しようと目論んだMac ProのCPU交換企画。その成果は当時は費用対効果としてそこそこに満足出来るものだったけれど、果たして消費電力面ではどのくらい変化したのか可視化してみます(測るだけですが)。まずアイドル時はオリジナルの2.8GHzから全く変わらず192W前後で、これは問題ありません。しかし、フル稼働時が凄いことになっていたのでした。何とその数値「396W!!」。これはもう炊飯器が全力で炊き出ししている最中とほとんど同じ数値ではないか。動画変換時間はオリジナルから1分弱短縮されており、周波数アップ分に比例してる結果かなとも思うのだけれど、さて、それに要する電力の消費っぷりに納得出来るかどうか…これは微妙な感じもしてきました。

Mac Pro(Early2009)2.66GHz×4コア

Mac Pro(Early2009)2.66GHz×4コア

 内部設計が新世代となったMac Pro 2009。先代の2008年モデルでは考慮されてなかったと思われる省エネへのアプローチが見て取れます(アイドル時の消費電力を測り忘れたのですが、下↓のCPU交換後の値から推測するに、80W台後半で動作しているのではないでしょうか)。このモデルでは周波数も低いし、半分の4コアしか搭載していないので消費電力は激減しているけれど、動画変換処理時間はそれなりの遅さになっています。ちなみに本体はもう返却してしまったので手元には有りません。

Mac Pro(Early2009)3.33GHz×4コア

Mac Pro(Early2009)3.33GHz×4コア

 4コアとは言え3.33GHzの動作周波数でアイドル時94Wはかなり省エネなのではないでしょうか。フル稼働時でも227WでMac Pro 改3.16GHzより170Wも低い数値です。動画変換の実行時間はコア数が半分ということもあって僅差で負けていますが、日々の電気代を考えれば全然許容範囲だし(それが今の僕の価値観だったりします)、パフォーマンスは高いです。

サブマシンMacBook Air(Mid2011)1.8GHz×2コア

MacBook Air(Mid2011)1.8GHz×2コア

 参考までにMacBook Air。なにせエアですし、電気代は少なく済むけれど、出来る処理もそれなりということで。それより、もうすぐ登場するHaswell搭載マシンで、所謂このUltraBookカテゴリの、特にアイドル時の消費電力が一体どれくらい下がるのか非常に興味深いところです。

ぶっちぎりの新しいiMac(Late2012)3.4GHz×4コア

新しいiMac(Late2012)3.4GHz×4コア

 そして最後に登場するのは今回の主役新しいiMac。何から何まで驚きのハイパフォーマンス記録更新を見せつけます。まずはアイドル時の消費電力ですが、27型モニタを同時駆動させながらもたったの55W。これは輝度を45%くらいにしている状態なんだけれど、最大の明るさにすると90Wまで跳ね上がります。ただし、僕には眩し過ぎるので輝度最大で使うことはなく、45%の明るさで普段使っていて特に不満はありません。
 次にCPUフル稼働時の消費電力ですが、これも122Wと非常に低く抑えられています。Mac Pro 2008改からは270W、Mac Pro 2009改からは100Wもの消費電力削減を達成。数年の間にこれだけCPUの省エネ化が進んでいたのですね…。
 しかし、さらに驚いたのは新世代CPU “Ivy Bridge”その実効能力です。消費電力が非常に抑えられてはいるものの、動作周波数はMac Proたちと然程変わるわけではありませんから、動画変換時間もMac Pro 2009改と同じ程度なのかなと考えていました。が、その予測は見事に裏切られ、みるみるうちにプログレスバーは進んでゆき、およそ半分近い「10分23秒」という短時間であっという間に処理を終えてしまったのです。Turbo Boost時には最大3.9GHzまでスピードアップすることもあって、このハイパフォーマンスぶりには本当に驚きました。

Thunderbolt大作戦・第一部を終えて

 これらの結果を受け、即時iMacはメインマシンへ昇格しました。以前の記事「軽薄なiMacについてアレコレ」では、液晶画面の高さがツラくて案外短期間のお付き合いになるかもしれない…と書いたのですが、冒頭に書いたように当座その問題は解決してしまいました。この企画全体は元々Thunderboltの将来性を見据えてスタート、ストレージ関連はほとんどThunderboltに対応させてしまったし、音楽作りで中心となるapolloもThunderbolt化して非常にスマートな作業環境が整いつつあります。ということはまた5年くらい使い続けるのかしら?と思ったのだけれど、まあしかし、おそらくその間に内蔵HDが壊れるだろうし、液晶モニタの映り等もロジックが壊れる以前に不具合が起きそうです。差し当たり、今夏を問題なく乗り切れれば、そのまま安定した働きぶりでしばらくは良きパートナーになってくれるのでしょう。ただ今回の企画を通して感じるのは、果たして次に購入するMacが再び「デスクトップ型」であるかどうかはかなり疑わしいということ。SE/30以来、今回のiMacに至るまでずっと僕はデスクトップマシンを使い続けてきたわけですが(途中、作戦の一環としてMBAを購入しましたが)、iMacが積んでいるCPUは本来モバイル向けであることも考えると、Macintoshの見た目の形状が今後また劇的変化を遂げるような予感もします。あるいはNC(ネットワーク・コンピュータ)というような、常時クラウド接続を前提としたコンセプトのマシン(まあ、Chromeのような)に向かうことも有り得ますね。

 とまあ、そんな事を考えつつ、今年に入ってから直近の3ヶ月間の電気代請求書を見て、僕はほくそ笑んでいたりします。

 Thunderbolt大作戦におけるiMac投入直後の劇的な電気代削減は、こちらの予想を遥かに超えたものになりました。過去数年の同時期の比較では約月2千円のマイナスで、それぞれ実費2千円台半ばで済んでいます(どんな生活してるんだよ)。iMac本体の省エネ仕様もさることながら、WD REDの導入や、矢継ぎ早のSSD導入による効果もあるでしょう。さらなる削減を目論んでつい先日、作業部屋の室内灯も全てLEDに交換しました。そしてようやく書けるよ。僕個人のつましい生活に限って見れば…という断り付きだけど、

もう原発いらね。