連載第45回
2023年3月13日
新型Mac mini(M2版)について雑感

ゲームチェンジャー、期待の新星としてデビューしたM1 Mac miniが2020年11月10日の発表だったから、それから約2年と2ヶ月後の2023年1月17日、ちょっと長めのスパンを経てM2版のMac miniが発表された。それからだいぶ時間が空いて、もう話題にもならなくなったけれど、記録として雑感を記しておきたい。本当に文字通りの雑感である。内容はいつも通り30倍に希釈し過ぎて洗浄効果が無くなってしまったママレモンのようである。

全く同じ筐体だった

以前から薄く、軽くなることを期待していただけに残念である。

自分の考えるMac miniの理想の形態はディスプレイ無しのiPad miniである

M2 Proは予想外だった

新しいMac miniはM2を積んでは来るけれど、処理速度優先というよりは、高性能ではありつつも消費電力を抑える方向でキャラ設定して欲しいと考えていたので、まさかPROバージョンも用意してくるとは予想外だった。

ただ、世間が期待したような「ドッカーン!」と言う性能アップには至らなかった。製造プロセスが少しこなれて、動作周波数がアップして、その分に比してシングルコアの性能がアップする、と言うような、昔を知るオッサン的にはかつてのPowerPC G4時代のようなイメージで、毎回新型が発表されても、周波数が1.0GHzになりました、1.25GHz、1.4GHzにアップしました!みたいな感じである。だから次のAppleシリコン(M3?)が来ても、M2の3.5GHz〜3.7GHzから僅かに引き上げられて「最高3.8GHzになりました」みたいな性能アップに留まると思う。

空冷ファンが装備されていた

PROバージョンを搭載するのならば、仕方ないが空冷ファンは必要であろう。今、普段使いしているインテルMac miniは、配線の都合上、背面を自分の方に向けて机上に設置しているのだけれど、熱風を吹きつけてくるのがちょっと…いや、かなり不快なのである。繰り返しになるが、効率優先で空冷ファン無しなら良かったのだが。ARMマックならばそんなに熱を持たないとは思うけれど、吹き出してくるのは冷風ではないことは確実である。

もし、ハイパフォーマンスを志向するマシンではなく、性能はそこそこでも電力に対し高効率なマシン設計とし、空冷ファンを無くして筐体が薄くなっていたらグッと来ていたと思う。

値段はピンキリだが、それでも高いと感じる

いわゆる世間で言うところの、吊るしモデルで8万4800円(税込)。最近の円安・物価高を考えると10万円を切っているのは有り難くも思えるのだけれど、さすがにメモリ8GBで256GBストレージは気分的にストレスになりそうで選考には入らない。かと言って、何も考えずに好きに盛って行くと一気に値段は跳ね上がる。

ベターな構成で19万6,800円(税込)
※8コアCPU、10コアGPU、24GBメモリ・1TB SSD

3年落ちの中古インテルMac mini(2018)で、追加した64GBメモリも入れてたぶん15万円弱したので、それを考えれば高性能なことも考慮してバランスの取れた値段かとは思うのだけれど、やはりMac miniなのに20万円弱もすると言うのはどうなんだろうか。
しかもこのM2モデル構成だと、背面のThunderbolt4がたった2端子しか装備されていないのだ。それはキツい。

ベストの構成で31万800円(税込)
※12コアCPU、19コアGPU、32GBメモリ・1TB SSD

高級なお店のカウンターに座って、隣のパトロンのお爺ちゃんが「フリフリ君、好きなもの注文していいよ」と言われて遠慮なく(いや、少し控えめに)構成したベストなもの…を想定したら、何と驚愕の30万越え。これはもはやMac miniではない。Mac miniの皮を被った現金31万800円である。

結論:整備済製品か中古良品待ち

さて、中身のうっすい文章を書き連ねてきたけれど、希望構成のモデルだと値段が高過ぎておいそれと手が出せない。小市民としては、ここはやはり気長に整備済製品か中古良品待ちで行こうと思う。なんならM3まで待ってもいい。しかしまた2年くらい後になるのだろうか。

次期新型Mac Proの登場により、Appleシリコンの限界を知ることが出来そうである。