連載第4回
2020年8月15日
Pro Standのどこがプロスタンドなんや!
Pro Display XDR

新型Mac Pro(2019)の重量について散々扱き下ろしたついでに、もうこれは大昔から言い続けているのだが、Appleの液晶モニター【スタンド】への嫌味もぶちまけておく。

そこでモニタを止めるな!

新型Mac Pro(2019)の発表と同時に紹介されたプロ向けのモニター『Pro Display XDR』。詳しい技術的なスペック等は公式サイトを参照してもらうとして、個人的に最大の関心を持って注目したのはスタンド機構が改善されているか否かの一点だった。
僕は普段、Macに向かって長時間作業している時、モニタへの視線は目の高さよりも下方へ向けている。それが身体(主に首〜肩回り)への負担が最も少なくなるからである。一般ユーザーに照らし合わせれば、昨今パソコンと言えばノート型がメインであるように、机上にノートPCを置いて、下を向いて液晶モニタを見ながらキーボードを打つ。そのスタイルである。

しかし発表されたプロ向けモニタ『Pro Display XDR』は、液晶部分が机上スレスレまで降りないようである。またしても!である。

確かに高額ではあるけれども、業界では通常その価格では提供出来ないくらいの高画質なのだろう(むしろ安価とさえ)。しかし、長時間に渡って自分の顔を水平にモニタへ向けたまま作業すれば、首が痛くなるわ意識は集中出来ないわ、モニタの良い部分が相殺されてしまうのである。最悪「Pro Stand」からモニタ部分を取り外してVESAマウントアダプタを介し、自分に最適な作業環境を組み上げることも出来ないわけではないが、いや、それよりも単純にモニタ位置をもっと下まで下げられるような機構を与えて欲しかった。何すか?プロスタンドって命名は。

その点で、かつて記事にしたMicrosoftのSurface Studioのスタンド設計は本当に素晴らしいと未だに思っている。実物見たことないけど。

どうしても「浮遊感」を出したいらしい

先日アップデートされた最新版Intel iMacも、そのスタイルは長年に渡って継承され続けており、もちろんスタンド機構は不変である。どうして昇降機構を持たせないのか?その理由は明白。

浮遊感の演出

壮大な今更感…。逆に言えばむしろ、MicrosoftのSurface Studioのように液晶モニタの位置を降ろすことによってスタンドの台(Surface Studioの場合はPC本体になるのだが)が視界から消えることの方が、より「液晶モニタが浮遊している感じ」を演出出来てしまうという意趣返し。
大昔のフロッグデザインが製品を手掛けていた頃から連なるAppleデザイン哲学はとても気に入っているし、Apple製品の関連写真集を数冊所有しているほどではある。しかし実作業において我が身体の健康を代償として差し出すわけにはいかない、というかそもそも作業に集中出来ないのだから仕方ない。iMacの高性能にはとても満足していたにも関わらず、自分の人生においてこれほど短期間で手放したMacも他に無い。

それはともかく。どうしても浮遊感を出したければ、柔らかくてお洒落な細いチェーンでも使って天井から吊るしてみたらどうだ!

ARM Macなら軽そうだ、出来なくはない。