そう言えばBig Surの不具合ではないけれど、画面右横にあるウィジットに「計算機」を登録できないという仕様変更が、これまた日常にイライラを持ち込む余計なお世話に感じられ、Big Surに対してネガティヴな感情を抱かせる原因の一つになった事を記しておきたい。計算機アプリを使えというなら、何のためのウィジットなのか。Dashboardウィジェットに掲載出来るユーティリティーなんてどれも当初はアプリで提供されているものではないか。…とまあ、そんな感じである。
ここで普通のユーザーならさっさと「Monterey」にアップデートするのだろうが、個人的にAppleのユーザーを巻き込んだ実験に翻弄されたくないので、数日悩んだ挙句…
Mojaveへのダウングレードを決めた。
しかし、その工程はちょっとした事案により予想外に難航したので、以下その時の備忘録(無駄工程も未整理で散らかっているが)。
Big SurからMojaveへダウングレード一部始終
本来ならこんなに面倒じゃないはずなのだが、ダウングレードを思い立った時に何故かMojaveのインストーラーがAppleのサイトからダウンロード不可になっており、試行錯誤の末、かなり迂回することになった。
- Corbon Copy Cloner 6でバックアップ
- Time Machineで外付けHDにBig Surをバックアップ
- Mojaveのインストーラーがダウンロード出来ない
- 古いMojaveのインストーラーを発見
- 手持ちのMojaveインストーラーでMac mini起動せず
- リモート復旧で出荷時のOSに戻せる可能性を試す
- 黒Mac ProでMojave環境を作成→それをMac miniへコピー作戦に変更
- 回転系の外部HDにインストールを試みる
- 外部SSD「JetDrive」を使う
- 外付けSSDのMojaveで黒Mac Proを起動し、10.14.6までアップデート
- Mac miniを外付けSSDのJetDriveで起動
- 再び外付けの回転系HDを接続、Time Machineでバックアップ
- Mac miniを外部ディスク(JetDrive)から起動
- MojaveのディスクユーティリティでBig Surで作成されたコンテナを全て削除
- Time MachineでバックアップしたMojaveで復元(コピー)
- 不可視ファイルの「usr」ディレクトリが表示される場合
- バージョン10.14.6で起動確認
何かあった時のため、外部ストレージにCCC6でBig Surのバックアップ。試しにバックアップしたBig Surの外部ディスクから起動させようとしてみたが、それは出来なかった。デフォルトがAPFSになってから情報をまるで追えてないので、いつか下記ページなどを読んでおきたい。
・Carbon Copy ClonerとAPFSについて知っておくべきこと
・ヘルプ!クローンが起動しません!
・macOSのシステムボリュームをApple Software Restoreを使ってクローンするには
・CCCとmacOS 11についてのよくある質問
Mac miniの2018年型はいわゆる「T2 Mac」である。デフォルト設定だと外部ドライブから起動できないようになっているので、事前にそのセキュリティ対策を解除、「低セキュリティ」にしておく必要がある。
・Apple T2 セキュリティチップを搭載した Mac の起動セキュリティユーティリティについて
すっかり失念していたが、Time Machineでバックアップしても、それを外部起動ディスクには指定できないんだ…という事を改めて知る。Apple謹製のTime Machineは全く使っていない。
これが今回大きく迂回する事になったきっかけである。Mojaveのインストーラーをダウンロードしようと思ったが、Appleのリンク先をクリックしてもApp Storeが反応しない(真っ白のページが開くだけ)。購入済みリストを見ても見当たらない。ネットを調べてみると、同じような状況に陥っている人はチラホラ居るのだが、しかし解決方法まで書かれていない。そもそも2021年のこのタイミングで3年も前の10.14.6をダウンロードしようと思う人も少ないだろう。USBメモリをMojaveインストーラーに仕上げようかと考えていたのに、ここで躓く。
部屋の中に散らばっているMac関連パーツをあちこち探して、古い16GBのUSBメモリとMacBook AirのSSD内にMojaveのインストーラーを発見した。ただし懸念点があり、それはインストーラーのバージョンが「14.0.22」と最初期の古さである事。2018年発売のMac miniは初期OSがMojaveではあるのだが、さすがに14.0で出荷されているとは思えない。
悪い予感は的中して「14.0.22」では起動出来なかった。ローカルのSSDからダブルクリックで「バージョンが古い」と言われてダメ、USBメモリからもダメ。やはり最終版の10.14.6のインストーラーが必要だろうという事で、ターミナルを介してネットから落とす方法を試してみたが、これもそもそも参照先のURLが存在しないという事で蹴られた。つまりこの作業を行なっていた時期には何故かOSX各バージョンのインストーラーが存在しなかったようだ。Appeが削除したのか、時刻設定関連で使えなくなっているのかよく分からない。そもそもネットで特に話題になっていない。
随分と昔に1度だけ試したことがある「インターネットリカバリモード(リモート復旧)」だが、Mac miniに対し「cmd + option + R」で試してみる。途中まで進行するが、20分ほど経ったところでエラーが出てダメ(cantFindHandler?)。どうも、旧macOS関連のアップデートが軒並み行方不明になっている気配がする。例えば黒Mac ProにもOSアップデートの表示が消えているし、App Storeでもインストーラーがリスティングされない。
・macOS を再インストールする方法
・インターネットリカバリモードでMacを起動する方法
ここまで試して、Mac mini単体で新規インストールするのは断念。頭を切り替え、黒Mac Pro(High Sierraで運用中)の方で事前にMojave環境を作成しておいてから、それをコピーする方法を取る事にした。
まず思い付いたのは、外付けの回転系HDにパーテーションを切って、そこにMojaveをインストールし…云々、というもの。準備したのは思い付いた時にCCCを使って適宜バックアップ先に利用しているWDの2.5インチHD。空いている領域に100GBほどのパーテーションをAPFSで作成。それを黒Mac Proに接続し、Mojaveインストーラー(14.0.22)をダブルクリックすると「このインストーラーでは起動できません」というようなアラートが出た。そこで環境設定で時刻を「2018年×月×日(適当)」に変更。改めてダブルクリックすると無事起動したので、続けてインストール開始。すると途中で「ファームウェアの更新に失敗しました」とエラーが出て止まってしまった。再度繰り返してみたが同様だった。
外付けの回転系がダメならSSDでどうだ、とさらに頭を切り替える。今回使用したのは黒Mac Pro用に購入したTrancend JetDrive 855の外付けケース。このケースに中古で買ったAppleの内蔵用128GB SSDを装着。先ほどの工程と同様に、まずは60GBほどのパーテーションをAPFSで作成し、黒Mac Proに接続。そのパーテーションにMojaveを新規インストールする(ここでもインストーラーを起動させるために時刻を2018年まで遡り変更しておく)。SSDではうまく行った。それにつけてもAPFSがSSDを念頭に開発されたとは言え、回転系HDとAPFSの相性の悪さよ。
タイトル通り、インストール後にアカウントを設定。そこから10.14.6への差分アップデートを行い、同時に通知が来ていたiTunesのアップデートも併せて行う。そうだ、MojaveだとMusicアプリではなく、またあのiTunesに逆戻りしてしまうのだ。それもこれもみな不出来なBig Surのせいだ。
黒Mac ProにてMojaveをインストールしたJetDriveを、今度はMac miniの方にThunderboltで接続する。この時、JetDriveは旧タイプの端子(Thunderbolt1&2)なので、Apple「Thunderbolt 3(USB-C)- Thunderbolt 2アダプタ」を中継する。
その際「互換性のないディスクです」というアラートが表示される。この症状は参考情報をネットで探しているときに目にしたものである。この時点では気にせず先に進む。
※再度書いておくが、Mac miniはT2 Macなので、手順①の起動セキュリティを外部起動可能なようにしておくこと必須。
外付けの回転系HDをUSB接続する。Mojaveで起動中のMac miniから、Time Machineを使い、APFSでパーテーションを切ったHDの領域へバックアップを行う。
何故こんな事をしているのかと言うと、CCCを使って起動可能なMojaveのバックアップが可能かどうか分からなかった為。
バックアップが終わったら、Mac miniを一旦終了させる。
Mac miniに電源を入れてすぐoptionキーを押し、JetDriveにインストールしたMojaveから起動させる。
普通はこのようなディスク初期化の必要性はないのだが、何故、既にAPFSでフォーマットされているMac miniの内臓SSDをなぜもう一度消去しなければならないのか。これは事前に下調べしている最中に出くわした「互換性のないディスクです」というアラートが表示される問題の対処である(自分も警告を受けたのは上述)。どうやら最新のBig Surでフォーマットした内臓SSDのAPFSは、古いOSであるMojaveと相性が悪いらしい。そこで、Mojaveのディスクユーティリティで綺麗にしておくくらいの認識で初期化しておく。以下、メモ代わりに画像を掲載。
・ディスクユーティリティで「全てのデバイスを表示」
・内臓SSDのトップを選択して、APFS&GUIDで消去
リカバリーモードで表示されるユーティリティを使い、外部HDにTime MachineでバックアップしておいたMojaveを初期化したばかりの内臓SSDに復元する。
・復元のソースを選択
・復元先の消去確認→ディスクを消去
これが完了すれば、ようやくMac mini単体で起動可能となる。Mac miniの内蔵SSDにMojaveがコピーされてから一旦終了。外付けHDやSSDを取り外し、再起動で動作確認。あともう少し。
下図のように普段は隠されている不可視フォルダ「usr」が表示されてしまうことが、Time Machineからの復元ではよくあるそうだ。気になるので消しておきたい。
その場合、面倒ではあるが、再度command+RでMac miniを起動し、「macOSを再インストール」を行う。またインストールするのかよ…とは思う。ちなみにこの再インストールを行なった場合、書類やミュージック、ムービーなどに保存していたファイルはそのまま保持され、システム関連のみが更新されるので助かる。
これでようやくスッキリ。Mojaveへのダウングレードが完了。現在から3年前、2世代逆戻りした。
以上、長々とダウングレードに費やした労働を時系列で書き出してみたが、そもそも普通にMojaveのインストーラーがネットからダウンロード出来ていればこんな事態には陥らなかった。ちなみにこの原稿を書いている時点でインストーラーの配布は復帰しており、AppStore経由でそれをダウンロードしておけば、USBメモリでインストーラーを作成したりなどして必要に応じMojaveを再インストール出来る。こんな無駄な手間を取らせたAppleが嫌いである。
しかし何故、このタイミングでダウンロードが出来なくなっていたのか納得いかない。
2021-12-31 > 僕はアップル様が嫌い