10月の新型Mac miniの発表後の翌朝、タイムラインに流れてきた画像を見て困惑したのは「電源ボタンってどこにあるの?」ということだった。馴染みの背面に見当たらなかったから、どこかがタッチ式に反応するのかなと思ったりした。そこから割と時間が経った後でようやく、底面に設置されていることを知ったのだが、当然ながら「そこは…押し難いだろう、なんでそこに?」と再び困惑した。小型で軽いとは言え、机上のどこかに設置することになるし、実際にはケーブルを何本も背面に繋げることにもなるのだから、毎回持ち上げるのもストレスになるのは容易に想像できた。
僕は、毎回電源ボタンを押す人間である。
もちろん、Appleは「電源なんて切らずに、スリープで良い」と言うだろうという事も容易に想像できた。でも僕は毎回電源を入れて、キルのである。スリープにしておくのは近所のスーパーに買い出しに行く時くらいで、少し離れたスーパーへの買い出しで、部屋に戻るまでに1時間くらいかかるような場合や、映画を見に行くとなれば完全にシステム終了させている。だからインテルMac miniやM1 Mac miniは、電源ボタンを押しやすいように背面を手前にして設置していた…というのもある(「既にMac miniがうるさい※ファンレスのMac miniを出せ」)。しかし、M4 Pro Mac miniの場合、毎回ボディを掴んで傾けるのはやはり面倒くさそうである。こんな面倒なMacを作ったアップル様が嫌いである。
…とまあ、そんな事をぼんやり考えながら机上周辺を見回していたら、今年の夏に、iPad用に購入したタブレットスタンドのサイズと自由度高めの可動部分が、理想とするスタンドに応用できると考えた。
用意するもの
▶︎タブレット用スタンド
もともとiPad用に購入したのは「LISEN タブレットスタンド」。タブレットを乗せた状態で台座を水平に360度回転させられるし、スタンドの高さも調節可能。
▶︎シリコンゴムシート
M4 Pro Mac miniの前面がスタンド(金属製)の爪部分に直接当たらないように保護し、かつMac mini本体の滑り止め用に「Rimikuru シリコンゴムシート 厚さ3mm 2枚セット」を購入。本当は1枚で十分なのだが、2枚セットしか売っていなかった。かと言って近所のホームセンターの売り場を探し回って調べてみたら、使えそうな滑り止めシートが1セット1,500円以上もする。スタンドと同じくらいの値段ってどう考えても無理だった。
▶︎両面テープ
シリコンゴムの貼り付け用。特に指定は無し、適当なものでOK。
では、工作開始
▶︎シリコンゴムシートを区切る
ボールペンで墨付け。①はMac mini本体ボディの滑り止め用。サイズは8cm×3cmとした。適当である。
②〜⑤までは、タブレットを受け止める爪の返り部分に、Mac mini前面部が直接当たらないようにするためのスペーサーとして使う。サイズは2.8cm×1cmとした。適当である。
▶︎カッターで切って貼る
シリコンをカッターで適当に切り、両面テープで貼り付ける。なぜナイスタックが2つもあるのかと言うと、急に必要になったのに部屋のどこかで行方不明になってしまい、仕方なく近所の文房具屋で追加購入した後にひょっこり出てきた…と言う、よくあるアレである。写真の右側が行方不明になっていたものだが、多分20年以上経過していてパッケージデザインがどことなく古めかしい。
緩衝部となる貼り合わせたシリコンを、爪のところに両面テープで貼り付ける。本体の滑り止め用のものも適当なところに両面テープで貼り付ける。何もかも適当である。これで完成。作業工程はゆっくり見て20分。一番苦労したのは、古くなった両面テープを剥離紙から剥がし取る事だった。そこかよ!
完成したスタンドにMac miniを乗せて悦に浸る
メッチャ格好いい。
かっこいいんじゃないか?
状況によっては、これまで通りに背面をこちら側に向けて置くのもアリかもしれない。ケーブルは邪魔になるだろうけど、人は誰だって、熱風を浴びて感情を無にしたい時がある。
真っ直ぐに伸ばして一本立ちにする事もできるが、バランスを崩して倒れやすくなるのでお勧めしない。この場合、座面を水平ではなく前傾させると何となく安定する。
関節部を折り曲げて一番下まで降ろすと、ほぼ机上に直置きしたような状態になる。この状態でも少し浮いているので、持ち上げずに電源ボタンを押せる。
何と言ってもこのスタンドの一番のアピールポイントは、Mac mini本体を持ち上げる事なく電源ボタンにアクセスが可能なところ。奥まで指を持って行きにくい場合は、首を横に少し回して押せばOK。適当に作ったのに何もかも思い通りである。
設置後、使用感など
今回のスタンドはフットプリントもMac miniとほぼ同じなので、さほど置き場所に困らない。インテルminiやM1 Mac miniは縦置きスタンドに挟んでいたけれど、重くてフットプリントもそこそこあったので、設置場所は限定されていた。今、新型のMac miniはモニタースピーカーA5Xの上に設置している。スピーカーの上に物を置くとは邪道な!とオーディオマニアの人には叱られてしまうかもしれないけれど、反対側のスピーカーの上には固定電話を置いているのでバランスは取れていると思う。適当に言っている。
さて、もう一つの利点は背面へのアクセスの容易さである。一般の人は毎日・毎週というわけではなかろうが、僕は割と頻繁に背面のケーブルの抜き差しを行ったりする(外部ストレージをThunderboltケーブルで接続など)。そいういう場合、このスタンドは便利。足元の軸を回転させても良いけれど、ケーブルを全て繋げるとそこそこの力が加わっており、なかなか回転させるのが難しい。そこで、ワイングラスを持ち上げる時のように、スタンドの足を指の間に挟んで掬い上げてしまうのである。このカジュアルさ!
適当、適当、と何度も書いたけれど、それら適当と適当の間に、まだ誰にも名付けられていない何かが存在する。すでに雨後の筍の如く新型Mac mini用のスタンドが発売されているが、どれも微妙に使いにくそうだ。僕は今回の適当に仕上げたスタンドで十分満足している。
2024-12-25 > 僕はアップル様が嫌い