本日朝の事。まだ目覚めきらない微睡みの中、とりあえずTLを遡っていたら何やらマイブラが新作をリリースしたという話題がチラホラ上がっていて、まるで事前情報も仕入れてなかったからホントかデマなのか、あるいはまた流出かと疑ってみたのだけれど、どうやら確定情報な感じ。リンク先を辿ってみると現時点で本人公式サイトのみでの販売の様子。バイナル・CD・配信という今となっては当たり前になったラインアップだったのですが、配信のバリエーション中に何と「24ビット/96KHz」の文字を発見!
昨年末に紹介したピーター・ゲイブリエル『So』プロモーション24ビット音源ファイルに続き、自ら進んでハイレゾ音源ファイルを購入しようとして見事撃沈したHow to destroy angels『An Omen – EP』、今回3度目の正直というか何というか、つまりこれ「初めてのハイレゾ音源シリーズ」完結編となるのではないか。
リベンジです。
ようやく買ってみたいハイレゾ音源と巡り合ったというか、それとも意外に早く出会えたというか、しかしマイブラがハイレゾ音源配信というのを見て、これは一体何の冗談なのかと思ったのはたぶん僕だけでは無いハズ。しかもピーター・ゲイブリエルの時は48K止まりだったものが、今回は96Kというではありませんか。否応なしに期待は膨らみ早速ネット越しに音源購入。どんだけアコースティックで音響的な内容になってるんだよ!
まんまマイブラだった
そしたら冒頭1曲目からまんまマイブラだった。しかしパッと聴いて良い意味で更新されてる、単なる自己模倣に陥っていないと思いました。でも楽曲の印象を文字にするのはここまで。後は世間や批評家が好きなだけ言葉にしてくれるのでしょう。ここで1曲目「She found now」を耳にした直後の第一印象「更新されてる」の意味をもう少し書くと、たぶん音域全体に渡って濃いというか、エネルギーに溢れてるというか、少し前に発売された過去のリマスター盤では確かに「レベル」は上がっていたけれど、やはりそこにはリマスター作業時に盛られた部分が感じられるわけです。無理して元気にしてるような。しかし今回のハイレゾ音源は意外にもレベルが低いままではあったけれど、濃くて気持ち良いのです。で、その方面の話題としてこんな議論もされていたり。
思い出したのは昨年末のピーター・ゲイブリエル。その時も印象を書いているのだけれど、ハイレゾ音源の方は同梱されていたCD盤の音よりもしっとりしていました。そういう傾向が今回のマイブラにも起きてる。でもこれは元気が足りないとかいう批判にはならなくて、例えば僕のささやかな再生環境(Apollo+MDR-1R)では最高に気持ちよく音量を上げられます(単にヘッドフォン・ボリュームを上げてるという意味です)。試しに以前のリマスター盤『Loveless』を同音量くらいで聴くと高域が耳に刺さって痛いのだけれど、「m b v」は全然大丈夫。中低域も充実していてむしろ気持ちよい。
使用しているヘッドフォンにもよるだろうけど、僕の今の体調&気分だとMDR-1Rでマイブラ新作というのは全然アリです。つまりCDのマスタリング盤に比較してハイレゾ音源の優位性というのは、リスナーが好みの音量まで、元音素材のまま破綻することなくどんどん上げられるということにあるのではないかと気付きました。そういう立ち位置で見ると、CDのキャパ内にレベルを突っ込むというのが全く馬鹿げた行為に思えてもきます。当初、初めて買うハイレゾ音源がマイブラというオチが、かなり面白いジョークになると考えていたのが、彼等がレベルを上げてこなかったことで全く印象を変えてしまいました。もうレベルの事など考えず、録りとミックスバランスによる世界観の構築だけに意識を集中していれば良い、配信による楽曲販売時代は市場における「他者との比較(ラジオでかかったときに他人の曲と音量で負けてしまう等というような)」を恐れる必要などなくて、狭く閉ざされたファンとの間での直接的なデータの行き来でしかないのですから。iTunesで並べて聴くとレベルで負ける、そんな場合は既に上述した通り「ボリュームを上げれば良い」のです。そして今回も小売りを経由せず作品を創っている人から直接作品を買ったワケですが、やはり気分が良いのですよ。もしかしたら、これまで僕等は何か間違っていたんじゃないか?
ちなみに配信のお値段は1,450円。今回はPayPalで支払いました。
2013-02-03 > 放談ラジオ