2024年の12月に書いたMac miniのマイク入力に関するブログで、現行のApple純正日本語入力に対する不満をぶちまけていたのだけれど、その流れで物書堂の「かわせみ4」という日本語入力ソフトについて記事中に触れた。その後試用期限が切れ、再び不満を抱きながらもAppleのIMEを使い続けてみたが、その間に幾度もmacOSのマイナーアップデートが行われたものの全く状況は改善せず仕舞い。
そこで、以前ネットで見かけたazookeyを試してみた。主力製品はiPhone用のIMEらしく、そこから派生したデスクトップMac用のものもベータ版で配布されている模様。このazookeyとApple謹製のIMEを交互にしばらく使ってみた。azookeyはバージョン0.1.1〜0.1.3まで使ってみた。そして、ある確信に至った。それは下記の見出し↓。
僕はAI系日本語入力と相性が悪い
Apple日本語入力のライブ変換と、それに似たazookeyのライブ変換のどちらも、単純に僕の志向と相性が悪いと気付いた。入力したそのすぐ側から文章に適した漢字に変換されて行く様子はとても面白くて楽しいのは確かなんだけれど、やはり以前の記事にも不満として書いたように、「この読みはそれじゃなくてこう変換して欲しい…」というユーザーの希望をカスタマイズや学習によって反映出来ないのが辛い。ある程度の学習はするけれど、学習の深さが絶望的に弱い。例えば、僕は日常的に気温を記録しているのだけれど、「25ど」と入力して「25℃」と一発では変換されない。自分の方で「℃」を指定して確定しても、それを記憶せず、数分から数時間で忘れてしまう。なんなら次回の入力ですでに忘れている。Apple日本語入力もazookeyも、何かしらの言葉に対して頑なに学習をしない状況に遭遇することが多い。
日常的に使う道具は、それがとても単純な動作しかしないものであっても、常に同じように動作する事が必要です。例えばここにプラスドライバーが1本あるけれど、気紛れでマイナスドライバーに変化する癖があり、いつの間にかまたプラスドライバーに戻っている…とか、この自転車、ペダルを漕ぐと普段は前に進むけど、たまにバックする…とか。そんな道具ではまともな仕事は出来ません。1つの入力に対し、1つの出力が得られる。人間が一番安定して繰り返し作業するのに使える道具は、そういう物であるべき。
生成AI系ツールの危ういところは、出力したものが毎回揺らいでおり、いつまで経っても確定しないことへの「無責任さ」にある。「責任は取らない・責任回避・責任なんて知ったこっちゃない」を繰り返す存在。とまあ、このまま続けると延々と生成AI系への不満を愚痴ることになるのでようやく本題に移る。
かわせみ4じゃなくて2の理由は何だ?
回答:macOS Sequoia15.7.4でも「かわせみ2」が動作したから。
長くなったけれど、もうApple日本語入力のライブ変換やユーザー辞書のカスタマイズに期待することは諦め、昔懐かしい使用感を引き継いでいる「かわせみ」に戻る事にした。ところで僕は初代「かわせみ」ユーザーで、「かわせみ2」リリース後しばらく様子を見てからアップグレードし、そこからApple日本語入力に乗り替えたという経緯なんだけれど、どうして「かわせみ3」にアップグレードしなかったのだろう?と自分でも不思議に思い、ちょっと過去のMac使用状況を調べてみたら、おそらくインテルMac mini(2018)の中古を買ってメモリを増設し、ほどなくしてBig Surに失望し、Mojaveにダウングレードした時に…あ、当時のブログ「Mac miniの環境作り:日本語入力編」に書いてあった。つまり3年ちょいくらい、Apple日本語入力のライブ変換を使っていた模様。インテルMac miniで1年、M1 Mac miniで1年、M4 Pro Mac miniで1年。
そこで「かわせみ4」をユーザー優待価格で購入するにはまず「かわせみ2」のライセンスキーを調べなければならない…と思いつつ、ところでかわせみ2のインストーラーって何処かに保存してたっけ?と思って探してみたら、なんとどこにもバックアップしてなかったことが発覚。それは勿体ないと思い、しかしかわせみ2のインストーラーって何処で入手出来るんだろうか?とググってみたら、今は物書堂のサイトトップからは貼られていないんだけれど、まだコチラにかわせみ2体験版をインストールするページが残っていた。そこからダウンロードしてバックアップを確保した流れで、ふと
M4 Pro Mac miniにインストールしてみようかな…
と魔が差してしまったのである。なにせ動作保証外のmacOSだから、どんな不具合が起こるかも分からないというのに、気が付いたら何故かインストーラーをダブルクリックしてインストール開始してしまっていた。
2015年の購入時に取得したライセンスキーを入力。
あら?途中で蹴られるのかと思いきや完遂。
▶︎Macを再起動してから、日本語入力ツールを認識させる手順がやや複雑
昔はインストールして再起動したらすぐメニューバーから選択肢として現れていたけれど、近年は無駄に手順が複雑化しており、これも業種に関わらず企業が長年続いて行くと必ず辿る「法律が企業文化の表舞台に主役として出しゃばり始める」という病である。これも僕がApple様を嫌いになった理由の1つ。
やたら使い難くなっただけのシステム設定から、キーボードをクリック。テキスト入力の中の、入力ソース>編集ボタンを押す。
ここで左側のメニューに「かわせみ2」がリストされていれば良いのだが、近年のApple様はユーザーを混乱させるのが趣味なので、左下にある全く目立たない「+」ボタンを押さなければならない。ここで多くのユーザーは路頭に迷うことになる。
開いたウィンドウの左側のリストから「日本語」を選択すると、インストールされている日本語入力ソースを追加する事が出来る。「かわせみ2」を選択して追加ボタンを押す。画像にある「かわせみ4」は試用版の残滓。
「かわせみ2」が追加された状態。画像ではまだApple日本語入力とazookeyが残っているが、もし不要であれば「-」ボタンで削除する。
これで「かわせみ2」が選択出来るようになった。
iCloudにバックアップしていたデータを再利用する
10年前にかわせみ2を使い始めたときに、iCloudでデータを共有する機能を使っていて、そのデータのバックアップがまだiCloudに残っていたので再利用する。
かわせみ2の環境設定を開き、左のメニューからiCloudを選択してセットアップをクリック。
すでに存在していることが知らされ、実行ボタンを押す。
置き換え/結合ボタンを押す。これでiCloudに保存されていたユーザー辞書が読み込まれて、当時の日本語入力環境が再現。ちなみに僕はシングルアカウントのユーザーで、複数のMacで使うことは無かったからiCloudを介する必要も無かったのだけれど、バックアップ代わりになってラッキーだった。
今のところ特に大きな問題無し
なんか普通にインストール出来てしまって驚いている。かわせみに関するウィキペディアによれば、このバージョン2の動作は基本的には「OSX Mavericks 10.9〜macOS Catalina 10.15」ということになるようで、当然バージョン4で搭載された新機能は使えないが、まさかSequoia 15.7.4で動くとは思わなかった。ただ、単語登録のツールを呼び出すショートカットが不安定だったり、その他全ての機能が正常動作するかは試していないので不明だけれど、個人の下で「なんら責任を負わず勝手気ままに駄文を書き連ねるだけ」の範疇であれば普通に動いていて驚きである。細かく変換していくよりも、意外に長文で一括変換を仕掛けた方が効率良かったりする。例えば上の方で書いた
「入力したそのすぐ側から文章に適した漢字に変換されて行く様子はとても面白くて楽しいのは確かなんだけれど、」
は
「にゅうりょくしたそのすぐそばからぶんしょうにてきしたかんじにへんかんされていくようすはとてもおもしろくてたのしいのはたしかなんだけれど、」
をその長さまで全部入力してから一発で変換された。これはこれで気持ちよい。ちなみに僕はATOKとGoogleの日本語入力は使っていないので比較出来ない。
かわせみ4アップグレードに悩むが、買っておいた方が良い理由
しかしである。当然のことながらこのまま「かわせみ2」を使い続けられるハズも無い。もしかしたら、周囲で全く褒めている人が見当たらない、あの「Tahoe」にアップデートした途端に使えなくなるのかも知れない。
もしくは、いつか物書堂が満を持してリリースするかもしれない「かわせみ5」において、「わが社のかわせみも遂にAIを活用したライブ変換を搭載しました!」となったら膝から崩れ落ちるかもしれない。そうなる場合に備え、現時点で最新版の「かわせみ4」のライセンスを取得していたほうが安全である。バージョン5にしなくても、数年は新しいmacOS上で動作するかもしれない。
しかし、一番恐れているのは「かわせみ」自体の開発がバージョン4で終了してしまうことである。そうならないようにも、通りすがりにこの記事を見かけ、かわせみに興味を持った人は是非、物書堂「かわせみ4」体験版を試していただき、気に入ったならばライセンスを購入していただきたいと思うのである。
2026-03-29 > 僕はアップル様が嫌い







